鳥籠の姫

店から出てきてしまった陸君と私。


「あんなとこ怠いじゃん?」



そう屈託なく笑う。



「でもお金払ってないよ?」

思い出したように付け加えた。



「俺払ったからいいよ。」


「そんなの悪いから、払うよ。
……いくら?」


かばんをあさりながら聞く。



「俺が梓の合コン邪魔した分。
払わせてよ?」



そんなの反則だよ?


ハニカムあなたは眩しくて


恋が始まるのを実感した。



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