雪の華、君の香り、君ヲ想う
屋上のドアを開けると、
辺りはもう暗くなっていた。

冷たい風が二人に吹き付けた。


「佳奈、どうした?」


「真治、しばらくここへは来ないで。」


「えっ!? なんで?」


「真治、あなたも心療内科を
目指すならわかるでしょ?
瑠香ちゃんの気持ち・・・」


「・・・」


俺は佳奈の言葉ですぐに理解した。
瑠香に異変があったんだ、
いや、今まで瑠香が自分の感情を
押し殺していたんだ。


辛いとこも笑って感情を見せなかった。




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