雪の華、君の香り、君ヲ想う
実際、高志くんのような子は少なくない。

親に縛られ、何も言えずに、
ただ黙っ言うことを聞く
ロボットのような子が。


いつも笑顔で近所の印象も良い。
とても穏やかな子に見えるが、
その心の中は激しい憎悪に満ちている。


そして憎しみが怒りに変わる。


そしてその怒りは何かに向けられる、
自分に向けられるか、他人に向けられるか、
大人しい子ほど壊れた時が怖い。


その怒りはとてつもなく
大きなものとして起こるからだ。

家に火をつけたり、人を殺してしまったり、
自らを殺めてしまったり・・・
子供が親を殺してしまう、
なんて悲しい事件もある。


でも彼らにとっては、
それが精一杯の抵抗だったんだ。

そうでしか自分を守る方法がなかったんだ。



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