通りすがりのイケメンさん
「何よ」

「・・・なんでもねぇ」


何なのよ、まったく。


「で、買うもんは決まったの?」


だるそうに聞くと彼はきょとんとしていた。


「何をだ?」

「なんか買うんでしょ?飲み物」

「は?・・・あぁ、今のか。

今のは暇つぶしだ」

「は?だって楽しそうに選んでたじゃん」

「う、見られてたか・・・」


ショックを受けているご様子ですが、

周りのお客さんも見てたし。

しかもちょっと引いてたし。


「まぁ、今のは気分だけ味わってたんだよ」

「何の」

「帰って冷蔵庫開けて飲みたいものが

あったら嬉しいじゃん?」

「それ悲しいだけだと思う。

帰っても実際にあるわけじゃあるまいし」

「お前って現実主義だよな」


ジト目で言われた。

確かにそうかも知れない。

どんなに楽しい想像しても、

それが裏切られたときの

ダメージは大きいと思う。

だから余計な妄想や想像はしない。

もしかしたら、なんて思うだけ無駄なこと。


「神崎さんが理想主義なだけだと思いますけど」
< 28 / 45 >

この作品をシェア

pagetop