通りすがりのイケメンさん
外へ出た瞬間、

寒風があたしの体を包む。

やっぱり寒い。

手袋持ってくればよかったと思うものの、

よくよく考えたらあたしは今家出中であって、

手袋は家出した家にあるわけで。

手を擦り合わせて自分の息で温める。


「手、寒ぃのか?」

「あ、いや、大丈夫」


隣から声を掛けられる。


突然、グイッと手を持ってかれる。


「・・・っ!!!」

「うおっ冷てー!!!大丈夫じゃねーじゃねーか」

「・・・ぅん」


手を、握られてる。

すごく、暖かい。


「・・・手、暖かいね」

「心が暖かい人は手も暖かいんだよ!!!」

「違うよ。手が冷たい人は心が暖かいんだよ」

「ちげーよ!!!」

「暖かさを心に持ってかれちゃってるから

手が犠牲になるんだよ」

「・・・そうなのか?」

「うん」


嘘。今即興で作った。

でもそれっぽいっでしょ?

あたし天才。とまではいかないけど。
< 30 / 45 >

この作品をシェア

pagetop