通りすがりのイケメンさん



どきどき、する。

でもこのどきどきは、緊張してるだけなのかも。

それは多分、この人じゃなくてもそうだと思う。

だって。


「・・・あたし、人と手、繋ぐの、初めて」

「へ?そうなのか?」

「・・・うん」

「お父さんとかお母さんとかはあんだろ?」

「・・・ううん」


どんどん、自分の声が

小さくなっていくのが分かる。


「そっか」

「・・・」

「じゃあ手ぇ繋ぐの俺が1番なんだな!!!」

「・・・へ・・・?」

「よっしゃ!!!お前の初めてもーらい!!!」


そう言って前を見て笑う彼は、本当に嬉しそうで。

とても綺麗に笑うから、こっちも笑顔になる。


「お、笑った」


そういうと、今度はあたしの方を見て優しく微笑む。


――――――ドクンッ


え。今の、なに。

"ドクンッ"て。

心臓が縮こまるような、締め付けられるような。

胸がちょっと苦しい。

あたし、どうしたんだろう。
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