通りすがりのイケメンさん
それからあたし達は手を繋いだまま

他愛もない話をしながらアパートへ戻った。

階段の手前、左手の温もりがフッとなくなる。

びっくりして隣を見ると、彼は階段を上り始めた。

階段は一人が通れるくらいの幅しかない。

手を離すのは当たり前だろう。

不自然はことではない。


階段の前で立ち止まって目を伏せる。

その瞬間、目を見開く。

"あたし今、寂しいって、思った・・・?"


「おい、どーした?」

顔を上げると神崎優輔が振り返って

不思議そうにあたしを見ている。


「っ・・・なんでもない」


そういうとあわてて階段を駆け上がる。

「走ると危ねーぞ」

「わっ!!!」


階段を、踏み外した。

やばい。

そう思ったときには遅く。


落ちる・・・っ


ギュっと、目を瞑る。











ガシッ――――――

左腕に、圧力が掛かる。

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