ガラクタのセレナーデ
「目ぇ覚めたか」
 声がする方に視線をやると、薄っすら記憶に残る金髪の男が、部屋の入り口から、立ったままこちらを見ている。

「真……くん?」
 思わずいろはの口からこぼれる名。
 やはり、真に似ている、いやそっくりだ。

 だが男は、冷たい表情のまま、
「誰それ?」
 と聞き返し、いろはがいるベッドへと静かに近付き、その端に腰を落とした。

 上体だけをひねっていろはと向き合い、
「あんた、しばらくここにいろ」
 無表情で、唐突にそんなことを言う。

「どういうこと? ここはどこ? あなたは誰?」
 男の言葉に混乱したいろはが、疑問を並べ立てると、
「あんた、命狙われてる。気付かなかった?」
 嘲笑を浮かべて男は言った。

「気付いた。でも……」
「ここは安全だ。ほとぼりが冷めるまで、ここから出るな」
 有無を言わさぬ強い口調に、いろはは言葉を失い、困惑の表情を見せた。


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