君の隣
尋人の香りに酔いしれる。
「冷えてる」
「尋人あったかい」
「バカ」
「うん」
尋人に手を引かれ、家の中に入った。
家の時計を見ると、もう11時過ぎていた。
お風呂に入っていたら、なんだか無性に尋人が恋しくて、髪も乾かさずに出たら風邪引くって怒られた。
「ねぇ、尋人」
「ん?」
尋人の足の間に座るあたしは、後ろから抱きしめられている状態で、低く、甘く、素っ気なく聞こえた「ん?」がとてもくすぐったかった。
「前さ、"さっきの誰?"って聞いたじゃん?」
「あぁ」
「話してもいい?」
今なら、言えるから。