クロス・マインド
「マラカイトの人達…
わかってくれるといいね。」

ポツリとこぼれた。

けど、本当にそう思う。

視線を戻したキールは
寂しそうに笑っていた。

「ありがとう。
でも、時間がかかりそうだね。
元々、魔法を主としてきた人達は
自然界と大きな繋がりがある。
機械は途中で進化してきて
それを壊してきたわけだから…
面白くないだろうね?」

魔法を使う大半の人は
機械を破壊の源として
毛嫌いしている。
それは…世界共通の話。

それでも、機械を生み出す人達は
過ちを刻み、共存の道を
模索している。

今は、当たり前の様に存在する…
もう…機械のない生活なんて
出来ないと思うけど。

「それより…結構良い時間だね?」

「え?」

にっこり微笑むキールの
向こうには
夕日が漂う景色が見えた。
「嘘っ!?もう、こんな時間?」

オレは慌てて立ち上がった。

「ペリドット…これから予定は?」

「えっ?…特にないけど…」

どうやって帰るか考えていると
また、手首を捕まれる。





こ、このパターンは…










「じゃ、一緒に夜御飯食べよう?
お礼もしたいし…
あっ、お酒は飲める?…」
聞かれてる間に
体は引っ張られて行く。





またもや強制ですか!?
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