!戦いで人は成長する!
女子風呂は異様な雰囲気をかもしだしており、一瞬、入ろうか戸惑ってしまった。

風呂場は木製のドアでスライド式になっている。

僕は勇気をふり絞り女子風呂のドアを勢いよく開けた。

すると、目の前に女子達が言っていた両腕がない女の人が立っており、
『…水…。』
と、一言、言い残して消えてしまった。

僕が冷静さを装って振り向くと、後輩達はあまりの衝撃に腰を抜かして座り込んでいた。
早速、民宿のおじちゃんに話を聞きに行くと、
『やっぱり出たか…。』
小さく呟いて全てを話してくれた。
『あの事件があったのは5年ぐらい前の夏の事や。親から宿泊代だけを持たされた15歳の女の子が一人で泊まりに来たんよ。来た時は明るく元気な子やったのにその日の夜に温泉で浮いて死んでもうてたんや。わしが見付けた時にはすでに青ざめて息はなかった。それから若い女の人が温泉に入るとその子が成長した姿で出るようになってしもてん。』
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