狂おしい程君を愛してるー月下美人ー



そして
紗奈に電話した。



「もっしー?」


「シャブ、どうやったら手に入るの?」


「桜ちゃんもハマっちゃった?」


いたずらっぽく笑う紗奈に
嫌気がさした。

おまえらのせいだ。
この具合の悪さから逃げるためには、またシャブ食べなきゃいけないんでしょ?


「副作用に耐えられへんから…」


「今どこ?」


「S公園」


「ほんなら待っててー
今からうち行くから」





10分程で紗奈は来た。


「うちも残り少ないから
買いたいねん。
桜ちゃんお金ある?」


お金しかない。


「あるで」


「なら買人に電話するから」




電話を切って
あたしを見てVサインをする。


「オッケーやって!
上物入ったらしいでー
二万円、平気?」


「…平気」


あたしは自分が怖くなった。
まさかあたしが薬に手を出すなんて、思ってもみなかったんだから。


「この間はコーヒーに混ぜただけだから、あんまり効き目強くなかったと思うねんけどー
どないする?」


「何が?」


「使い方もいろいろあるねん。
炙りとか、ポンプとか」


「…へぇ…。どうやるの?」


「炙りはな、炙ってその煙りをストローとかで吸うねん。
ほんでな、1番いいのがポンプ。
血管に注射するんよ」


「……注射やったら、抜け出せないって言うやんな?」


「えー、大丈夫やでー?
現にうちらもたまにポンプしとるし」



わかんない。
怖い。
でもひどく具合悪い。
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