あたしを阻止してください。
俺の声をさえぎるほどの大声を出して走ってきたのは、理沙だった。


噂をすれば…。



「あはよぉ~。理沙と学校まで手つないで行こ?」



無理やり指絡ませてきた。



「はぁ!?」


思わず俺は少しキレた。



「やだ~、イケメンな顔が台無しだよぉ?」


クスっと笑いながら人差指で髪の毛を絡める。


キモッ。


それしか言いようがない。


「早く行こ?理沙の彼氏さん」


「理沙の彼氏さん」の言葉を妙に強く言いながら、勝ち誇ったような笑みを見せる。


そして手に力を込めてきた。


「いって!分かった分かった。マジで今日だけだかんな!」
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