あたしを阻止してください。
「どうしたんだよ?」
声の主、その男の子は聞いてきた。
なんて答えればいいの?
気が狂っていたって答えればいいの?
―――この男の子は誰?
「…あ、なた誰?」
震えた唇を動かす。
「あぁ、俺は幹哉。佐々木幹也(ささきみきや)、知らない?」
佐々木幹也?
「…知らないです…」
どうしよう、知らないよ。
怒られるの?
殴られるの?
蹴られるの?
怖い、怖い、
叫びたい…。
あの時と同じだ。
あの時と―――…。