気まぐれ社長の犬

夜も更けてきて、最初のワインを飲み干し、日本酒、ウィスキーと空けて次のワインに入ったところだった。

最初のワインの瓶を眺めながらやはり思う。

このワインやっぱり美味かったな…今度買ってこさせるか。

妃和のグラスが空いたのを見てワインを注ぐが、中々口をつけようとしない。


「どうした?さっきから進んでねえけど。つまみばっかりじゃねえか」


妃和をよく見ると顔が少し赤くなって目がとろんとしていた。

そろそろ酔ってきたか…

俺も少しは酔ったが、まだまだ飲める。
これは俺の勝ちかな。


「そんなこと、ありません。まだまだ飲めます…」


強気にそうは言っても全くなくならないグラス。


「ふーん…なら飲ませてやるよ」


俺は自分のグラスに残ったワインを自分の口に含み、そのまま妃和にキスをした。

そして開いた唇からワインを流し込む。

驚いた妃和が俺の服を掴んだけど、お構いなしに流し続ける俺に妃和の喉が動くのがわかった。


「美味いだろ?これも」

「最初のワインの方が…やっぱり美味しかったです、けどね…」


妃和は自分の唇を舐めて薄く微笑む。

その顔は、艶やかで…襲いたくなる衝動に駆られる。

エロい顔してんじゃねえよ…

見た限り、妃和は今からやれる程の元気はなさそうだし…我慢するの大変なんだから、あんまり煽るな。

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