気まぐれ社長の犬
「昔はわしも神崎さんにはお世話になったもんだ。元気にしてるか?」
「ええとても。昔と変わらず厳しい人ですよ」
「はははっあの人は本当に容赦ないからなあ」
「あっそういえば今日来たのは別の用件があったんですよ」
私はそう言って響城さんを見た。
「あっ…そうだった。昨日俺たち北条組と名乗るやつらに襲われたんですけど、北条組は関係してないんですよね?」
「ああ。もう依頼は断ったからな」
「梅原さんは北条組がやったと言っています。依頼したのは梅原さん何ですよね?昨日襲ってきたやつらも北条組のふりをしていました」
「へーなめたことしてくれてんじゃねえか」
「私すごくショックだったんですよ?あの優しくて筋の通った北条さんがこんなことするはずないって……でも北条さんがしたんじゃなくて本当よかったです」
私は最高の演技、最高の笑顔を北条さんに向けた。
「妃和ちゃん……妃和ちゃんを悲しませるやつは許せねえな。梅原…ちょっと潰すか」
さすが…ちょろいな。
「いえ北条さんの手を煩わせるなんて悪いですよ…こちらで処理します」
「いいんだよ。これは北条組の面子にも関わってくるからな」
「そうですか…ではお願いします」
「ああ任せときな」
「では私たち仕事がありますのでそろそろ失礼しますね」
「ああ。また今度酒でも飲もう」
「はい楽しみにしてます。それではまた」
私は扉を開け外に出た。
私昔からこういう人ばっかり見てきたから少しぐらい恐い人を見ても全然恐いと思わないんだよね。