気まぐれ社長の犬
「なに?お前嫉妬してる?」
楽しそうに響城さんが私の顔を覗く。
「フッ私がそんなものすると思いますか?」
「しろよ。俺はお前にずっとしてんだから」
「えっしてたんですか?」
「当たり前だろうが。ちょっとは気をつけろ」
「どうやって?」
「まずそのフェロモン!!それに露出!!」
響城さんは私の胸や足を指差す。
「そんなに出してもいないでしょう。それにフェロモンは生まれつきだから仕方ありません。そんなにフェロモン出てますか?」
私は胸を響城さんに押し付けながら聞いてみた。
「だーっでか乳くっつけんな!!襲われてえのか!!」
「…今は嫌ですね」
「そうだろうが!!んなら誘うな」
「はいはい。でも…夜ならいつでも待ってますよ?」
「お前なあ…それ女のいうことじゃねえだろ」
「残念ながらこんな女もいるんですよ」
「本当に残念だな」
私は鼻で笑うとまた窓の外に視線を移した。
嫉妬…私だってしますよ?
パーティーの時に女に囲まれたり婚約者のことを聞いた時、無性にいらっとして苦しくなった。
まあそんなこと…言ってあげないけどね。