ワンダフルエラー

「…」

「おい、無視かよ」


小さく笑いながら、英二は俺の肩に手を置くものだから、反射的にパシリと払いのけた。

そんな反応さえも、こいつにとっては面白いらしい。別段気を悪くした風もなく、隣にいる。


「おまえ、相変わらず俺のこと嫌いだよな」


茶化すようにそんなこと、よく言えるな。飄々とした態度は、どこかサトシに良く似ていると思う。

大体にして、好きになんてなれるはずがない。


『おまえ、ほんとに男かよ。女じゃねえの』


生徒会が発足されて、初めてメンバーが揃ったときに発せられた第一声がコレ。

自分のコンプレックスを真正面から言われ、カっとなって、思わず殴りそうになったのをサラに止められたのだ。


「今日、サラはいねぇのか。どこ行ったんだ?」


生徒会室をぐるりと見渡して、英二が言う。


「なんで俺に聞くんだよ。知らないし」

「だって、お前らいつも一緒にいるじゃねぇか」


その言葉が、無償に俺の感に触る。
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