ワンダフルエラー

「英二に関係ねぇだろ」

「なに怒ってるわけ?大好きなサラちゃんがいなくて、王子様は不機嫌ですか?」


何言いだすんだ、こいつ。

そんなわけないだろ、と吐き捨てるように言って俺はただパソコン画面に意識を集中している振りをする。


「別に、俺とサラはそんなんじゃねぇし」

「へー…、それ、本気で言ってるわけ」


やっぱり、俺はコイツが嫌いだ。

必死に守ろうとしているモノを、簡単に壊して侵食しようとする。


「英二、何が言いたいんだよ。もしかして、」


俺が言いたいことなんて、英二にはとうに伝わっていたらしい。

くっと口角を上げながら、言う。


「じゃあ、サラが俺の女になってもいいってことだな」

「!」


ハッと息を呑む俺に、英二は憎たらしげな笑い声を漏らした。
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