ワンダフルエラー

「…冗談でそういうこと、言うなよ」

「別にいいだろ、俺が付き合ったって」


おまえとサラは、ただのトモダチなんだから。

そんな英二の言葉に、どうして…心臓がドクドクと必要以上に鳴っているのが分かる。

言葉を返さなくなった俺に、英二はプっと吹き出して、俺の方をポンポン叩いた。


「まあ、冗談だけど」

「英二!」

「言わないだけで、本当は陰で付き合ってんだろ?お前の女なんて、こっちから願い下げだっつの」


だから付き合ってないって…、と否定するのさえ面倒臭くなってやめた。

やっぱり、大嫌いだ、こんな男。
< 151 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop