ワンダフルエラー
こういうモヤモヤしたものを吹き飛ばせるような趣味が、自分にもあればいいのに。
結局、俺は重たい気分を引き摺ったまま生徒会室で企画書を纏めている。
仕事しか、することが見つけられないなんて学生として終わってる。
差し込む西日が、目に痛い。
「十夜くーん」
掛けられた声に振り向くと、サラが小さく手を振りながら生徒会室に入ってきた。
「あー、サラか。おまえも相変わらず暇だな」
「うっさいわ」
吐き捨てるサラが面白くて、笑ってしまう。
いつもと同じやりとりが出来て、俺は内心酷くホッとしていた。
これでサラまで変わってしまったら、もうどうしていいかわからなくなってしまう。
「なあ、冬季の球技大会の企画書、これでいいんだっけ?」
「…ばーか、違うよ。そっちの方」
「あー、これか」
「…そうそう」