導く月と花に誓う



…どうしよう…わかんない…。




でも、今わかんないって言ったら、なんて言われるか……




あえて、うーん…と考えるフリをする。








…すると。




コンコン、と何かを叩く音が聞こえてきて、あたしは窓の方へ視線を巡らす。






そこには、久しぶりに見た犬の姿の砂狗がいた。






仕方がないので鍵を開けてやる。






……っていうのは口実で、実はものすごい助かったと思っていたりして。






不謹慎だけど……。







「珍しいじゃん、その姿」


「…ああ」




そう返事をして、人の姿とは逆にちょこん、と座る。












< 168 / 378 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop