【完】甘い恋よりもそばにいて
泣くまでのいきさつをざっと話して
あたしの瞳からはまた涙が溢れそうになる。
「それであたし泣いちゃって…」
ぐずぐずな作り笑い。
先輩は表情を崩さず何も答えない。
先輩に打ち明けたらもっと…
もっと
なにか違うと思ってた、
なにかが変るんだと思ってた。
でもそんなことないね。
この胸の苦しさはやっぱりどこにも行ってはくれなくて、
余計な苦しみが増した気がいた。
何も言ってくれない先輩が苛立たしくてたまらない。
先輩にこんなことを思うのは間違ってる…
分かってるけど
人間ってそんなにものわかりのいい生き物じゃないでしょ。
顔がカッと熱くなり、
目のあたりがじんじんする。
あたしの瞳は濡れ出した…。
先輩はあたしの頬に手を置いて
ゆっくり時間をかけて……
あたしの唇を
奪った。
そして彼は続ける…。
「それで…俺にどうしてほしいわけ?」
彼は伏し目がちに色っぽくあたしに言った。