秘密の恋愛レッスン

「ってか、こんなところあったんだ」

大きな倉庫を見上げながら、和弥がつぶやいた。

確かに・・・
遊園地じゃないよね。

外はもう真っ暗だったから、より一層不気味に見えた。

「あ!そういえば・・・なんで私の居場所が分かったの?」
「・・・GPS」
「そうだ!私の携帯についてたんだった・・・」
「ついてる携帯でよかったな?ついてなかったら今頃・・・」
「ああー!!それ以上は言うな!」
「はいはいはい。ってか声でけぇな」

いつも通りだ。
この距離が心地いい。

だから、私は聞けない。
あのことは、まだ・・・



聞けない。





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