秘密の恋愛レッスン
「何?もう限界なわけ?」
そういって、触れてた唇がスッと離れた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「なぁ、呼べよ・・・」
さっきから何なの!?
いきなり、キスしといてさぁっ!!
こっちはそれがファーストキスなんだから!
そう思うと、じわじわと目頭が熱くなる。
「泣くほどすごかったとか?俺のキス」
「っ泣いてません!!」
なんだか、見透かされてる気がしたから
キッとにらんだ。
「それ逆効果・・・」
そう言って、再び唇を近づけてくる。
キ・・・キスされるっ!!
ギュッと目をつぶった。
「・・・なぁんてな」
え?
そっと目を開けたら、彼のドアップが・・・
「期待しちゃったとか?」
余裕の笑みでじっと私を見るから思わず目をそらしてしまう。
「期待なんかしてません!!」
グイッ!
あごを掴まれて、ムリヤリ前を向かされる。
「こっち見ろよ」
「嫌です!!」
きっぱりと否定して手をパシンッと叩いた。
「あんたがどんな理由で私をからかってるのか、知りませんがっ、これ以上私に構わないで下さい!」
一気に言ったせいか息がゼイゼイゆっている。
「それが、無理なんだなぁ・・・」
「はぃ?」
「言っただろ?俺を教えるって」
「だから、それはっ!!」
「お前に拒否権なし」
「い・・・意味不明!!」
何なの!?
この俺様っぷりは!!
「じゃぁ、犯していいわけ?」
爽やかな顔してなにサラリと野獣発言してんのよぉ!!
「・・・ってこの距離は何!?」
気づけば、私と彼の距離はわずか数センチで・・・
「さっき、俺のことあんたって言ったよな?」
「言ったけどっ!ってか何か近すぎない!?」
「俺の名前はあんたじゃなくて和弥」
「し・・・下の名前で呼べるわけないじゃん!!」
「言わないとキスな」
キスぅ!?
やだやだ!!
「分かった!呼ぶ!」
そう叫ぶと触れそうになった唇をそっと離してくれた。
「・・・かず・・・」
「・・・言って?」
そんな優しい目で見つめないでよ・・・
「かず・・・や」
言ったとたん一気に恥ずかしさが込み上げてくる。
恥ずかしいよぅ・・・
「・・・合格」
チュッ・・・




< 6 / 141 >

この作品をシェア

pagetop