極道夫婦―18歳の恋戦―【完】

優しい幼なじみ

私はゆっくりと顔を上げ、夏輝を見上げた。

夏輝は滅多に見せない八重歯がキランと光ってみえるような笑顔を見せた。



夏「だから、無理にとは言わんけど、今は俺を見てみないか?雄也が拓馬を男して嫌う気持ちも、理解してやって欲しい。
妹の幸せを、あいつは世界一、馬鹿みたいに願ってるんだよ」



愛「うん…」



きっと、夏輝も私も、お互いがお互いを好きになるとは思ってない。

けど、大切な家族の兄貴を、私には裏切れない。

笑顔をなくせない。

だから、今は優しい夏輝を利用しちゃう形だけど、拓馬への気持ちを、思い出にして行こうと思う。
< 17 / 201 >

この作品をシェア

pagetop