永遠の翼
「・・・・・・」


俺は黙って、優子の話を聞いていた。


彼女の表情は、髪に隠れてよく分からなかった。


「雪・・・綺麗ですね」


優子は顔をあげて、そう言った。


「その少女は・・・」


俺は優子の言葉を無視して、口を開いた。


聞かなきゃいけない。


そんな気がしたから。


「その少女は、新しい宝物は見つけられたのか?」


「・・・・・・」


一泊の沈黙の後、優子が答えた。


「・・・まだ、探している最中ですよ」


「そうか・・・」


彼女には、笑顔でいて欲しい。


純粋にそう感じた。


そして。


彼女の宝物。


それを探す手助けはできないだろうか?


俺の宝物。


それを、彼女に伝えることはできないだろうか?


それは彼女にも手に入れられるものだ。


言葉で言うだけじゃ、意味がない。


俺の音探し。


その答えが、出た。


パズルのピースが、埋まった。


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