先生は蒼い瞳の狼くん
その笑顔が、なんだかもどかしくて…
「よし、オッケー」
「………」
そう言い、私からゆっくり離れて行く手を…
ガシッ―…
「え?」
私は両手で先生の大きい手を包む
白くて、長い綺麗な指
それでいて男らしい手
「千尋…先生」
名前を呼んで、私は手を数回擦ってから自分の胸元から頬へと寄せてそっと包むように腕だけを抱き締める
「………」
そうすると、凄く冷たい感覚が、体温の高い私にリアルに伝わってくる
「…」
それでも、不思議と寒いとは感じなくて…
ただ、先生の腕を抱きしめていると―…
「雪村…」
不意に名前を呼ばれるのと同時に、ピクリと先生の指が少し動く
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