先生は蒼い瞳の狼くん





――――――




「えっ…と…初めまして。雪村サラと言います」


よろしくお願いします、と付け加えて目の前の生徒達に私は軽く頭を下げた


二年生の2学期、雪がもうすぐに降りそうな11月に私はこの学校に転校をしてきた


親の転勤、それをうわべの理由にして今ここにいるが…


真実は親の転勤なんじゃない。


ただ単に前の学校から去りたかったから転校をし、私はここにいる



両親に"転校をしたい"と気持ちを告げた時は二人ともとても驚いていた



と、ゆーより…普段からそんな我が儘を言わない私の口からそんな事を言うとは思わなかったのだろう


だから反対なんてされなかった



ただ黙って聞いて、私の意志を受け止めてくれた


そして、沢山ある高校の中から地元から一番遠いこの学校を選んだ


それほど大きい学校ではないけれど、学生寮があり希望次第で誰でも入れる




だから私は家を出て、それと同時に何年も生活した地元も離れてこの地にきたのだ―…




「じゃあ、雪村さんは窓際の一番後ろに座って」


「はい」


スラッとした担任の先生の白い手が指差した席に私は進む


この学校には全部で1つの学年が3〜4クラス程度しかない



1クラス35人前後でそのうち25人以上は男子


女子はもの凄く少ない


だからなのか、この教室に来る前に女子は皆仲がいいと聞かされていた



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