120秒の恋

抜けるような青空のもと、私は待ち合わせの場所へと向かった。

今日は彼との初デートだ。


信号待ち、ビルの硝子に映る自分をチェック。


洋服は一番のお気に入りにした。

大きなドレープが胸元から伸びた赤のワンピ。

ファーのついたオフホワイトのロングコート。

いつものカジュアルな服装よりは少しだけエレガントだ。


私のアパートから歩いて10分ほどのところに大きな公園がある。

公園の中央にある噴水広場のベンチに彼はいた。


「お待たせしました」

「おはよう」

彼は空色のタートルネックのセーターに紺のジャケット姿。

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