クリスマス・ハネムーン【ML】
 真夏のクリスマスは、きっと。

 楽しいことが、いっぱいあるから。

 疲れたカラダとココロを癒やすには、ぴったりだ。

 お互いの、愛を感じ合う夜を過ごそう。

 その旅の形が『ハネムーン』って言うのは、何だか少し照れくさいけど。

 それは、きっと。

 僕たちにとって、かけがえのない時間になるはずだから。


「さすがに、ここで。
 君を抱く訳には、いかないけれど。
 私は、ずっと、君の側に居るから」

 ……だから。

「少し、眠れ。
 明日のために」

 そんな、ハニーの声が優しくて。

 僕は、ようやく、素直に頷いた。

「……うん。
 判ったよ。そのかわり、手、握って良い?
 毛布の下で良いから」

 僕のお願いに、ハニーは、にこっと笑うと。

 僕の手を自分の手でしっかり包んで、そのまま毛布の『上』に出した。

 ……え。

「ち、ちょっと!
 ハニー!
 手……手、出てる!」

「……何だ、螢。
 手が出ると、寒いのか?」

「違う!
 普通、男同士って、友達同士だって手を繋がないもんだろう?」

 こんなことを、おおっぴらにしてると。

 自分はゲイだって、大声で叫んでいるのと同じじゃないか!

 僕みたいなチンピラは、良い。

 好き、の心一つで、他に失うモノなんて、ないから。

 だけども、ハニーは。

 それなりの地位を持つちゃんとした大人だから。

 世間体を考えなくちゃいけないし、男としてのプライドもあるはずで。

 昔に比べれば、大分優しくなったとは言え。

 まだまだ、同性愛に偏見の目を向ける人が多い中、これは、大変なことだ。

 
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