クリスマス・ハネムーン【ML】
湧きあがって来る焦りを不機嫌な声に変えて唸れば、ジョナサンが僕の肩をつかんだ。
「……だから、僕に触るなって、何回言ったら、判るんだ?」
そのまま、ジョナサンを、投げ飛ばしたくなるのを必死に抑えて言えば。
彼は、ぶんぶんと首を振った。
「そんなんじゃ無いですよ!
お師匠さまを物理的に、止めてるんです!
判った、大人しくしてる。
なんて言ってるそばから、出て行こうとしてるじゃないですか!」
「……ここは、気づまりだから、外の風に当たって来るだけだよ!」
「……本当ですか……?」
僕の言葉に、疑い深そうに眉を寄せるジョナサンに、僕は鼻を鳴らした。
「……昔から、警察とは相性が良くなくて、嫌なんだ!
なのに、こんな狭い部屋に五人も居れば……!」
……自分の部屋にガサ入れが入ったみたいで、嫌だ、という言葉を呑みこんで、きり、とにらんだ。
「……僕は、霧谷博士以外の男には、興味ないんだ。
こんなムサイ奴らに囲まれて、楽しい野郎がどこにいる?」
「ですが……」
「何か、他に変わったことがあったら、すぐ呼んで。
目の前のウッドデッキにいるから!」
まだ、何か言いたいらしいジョナサンを振り切ると。
僕は、コテージから海に張り出している、デッキに座り込む。
足を海につけただけで。
ただ、沈んでゆく夕日を見ているだけなのに。
よほど信用ならないのか、ジョナサンも、僕をじっと見つめているのが判る。
それを感じて、僕も息をつく。
……次に、この太陽が昇るまでに、必ずハニーに会うんだ。
そのためには、手段を選ぶつもりも、ぼんやり待っているままのつもりもなかった。
極端に言えば。
鯨や、珊瑚礁の問題で、日本が、オーストラリアと揉めても、ハニーさえ無事に帰れば、それで良かったから。
逸る心を抑えて、先を考える僕の耳に海鳴りが響く。
コテージの真下にまで、寄せて返す波音だけが穏やかだった。
そして、それは。
僕のカッと昇った血の気を抑えて、次に、何をすればいいのか考える余地をくれた。
「……だから、僕に触るなって、何回言ったら、判るんだ?」
そのまま、ジョナサンを、投げ飛ばしたくなるのを必死に抑えて言えば。
彼は、ぶんぶんと首を振った。
「そんなんじゃ無いですよ!
お師匠さまを物理的に、止めてるんです!
判った、大人しくしてる。
なんて言ってるそばから、出て行こうとしてるじゃないですか!」
「……ここは、気づまりだから、外の風に当たって来るだけだよ!」
「……本当ですか……?」
僕の言葉に、疑い深そうに眉を寄せるジョナサンに、僕は鼻を鳴らした。
「……昔から、警察とは相性が良くなくて、嫌なんだ!
なのに、こんな狭い部屋に五人も居れば……!」
……自分の部屋にガサ入れが入ったみたいで、嫌だ、という言葉を呑みこんで、きり、とにらんだ。
「……僕は、霧谷博士以外の男には、興味ないんだ。
こんなムサイ奴らに囲まれて、楽しい野郎がどこにいる?」
「ですが……」
「何か、他に変わったことがあったら、すぐ呼んで。
目の前のウッドデッキにいるから!」
まだ、何か言いたいらしいジョナサンを振り切ると。
僕は、コテージから海に張り出している、デッキに座り込む。
足を海につけただけで。
ただ、沈んでゆく夕日を見ているだけなのに。
よほど信用ならないのか、ジョナサンも、僕をじっと見つめているのが判る。
それを感じて、僕も息をつく。
……次に、この太陽が昇るまでに、必ずハニーに会うんだ。
そのためには、手段を選ぶつもりも、ぼんやり待っているままのつもりもなかった。
極端に言えば。
鯨や、珊瑚礁の問題で、日本が、オーストラリアと揉めても、ハニーさえ無事に帰れば、それで良かったから。
逸る心を抑えて、先を考える僕の耳に海鳴りが響く。
コテージの真下にまで、寄せて返す波音だけが穏やかだった。
そして、それは。
僕のカッと昇った血の気を抑えて、次に、何をすればいいのか考える余地をくれた。