カウントダウン
「でも、掟を知ってんなら話は早い。彩音ちゃん、仲間内で盗みはダメだ。
言ってる意味、分かるよな?」
「え……?なにが……ですか?」
まただ。
また、笑顔の奥で目が笑ってない。
「さっき悠斗に忠告したって言ったよな?俺、アイツに言ったんだ。今のままだと大事な女がどこぞの馬の骨に奪われるぞって。因果応報でさ、自分のやってる事が返ってきたって何にも言えねぇじゃん?
だからさ、これ以上ワケの分かんねぇ女が増えねぇように俺も見張ってた、さっきは不信な目で見つめちゃってごめんね」
「……いえ」
「でもね彩音ちゃん、どこぞの馬の骨ならいくらでも対処できる。だが、それが仲間内なら話は別だ。彩音ちゃん、悪い事は言わねぇ
祐介はやめておけ」
何故、その事を初めて会ったこの人が知ってるんだろう。
そう思う気持ちと、バレてしまったという気持ち。
翔さんの瞳が、私はとても怖かった。