カウントダウン
そんな俺の気持ちが届いたのかは分からない。
あの後は何も言わずに悠斗は帰って行った。
だから俺は遠慮せずに約束の日曜に彩音に想いをぶつけた。
「……なぁ祐介、お前彩音の事好きなのか?」
あの日、俺達は話し合いをした訳じゃなかった。本音は語らずただ感情だけをぶつけただけ。
お互いが、自分の気持ちから逃げていた。
今日、悠斗がここで話しがあるとメールしてきた意味はきっと、お互いの気持ちの決着。
もう俺は逃げねぇ。
悠斗の想いからも、自分の気持ちからも。
「好きだ。もう、誤魔化せないくらい好き。悪い悠斗、俺……彩音のことやっぱ諦められない」
精一杯の誠意を込めて。
包み隠さず自分の気持ちを伝えるから。
それが、悠斗に出来る俺のただ一つの気遣いであり、友情。
なぁ、女一人で崩れちまうような薄っぺらい絆じゃねぇよな?
彩音が誰を選ぼうと、俺達は変わらないよな?
例えば俺が敗者だとしても、俺は後悔しないよ。