カウントダウン
【悠斗 side】
“好きだ。もう、誤魔化せないくらい好き”
聞きたくねぇよ、そんなセリフ。
お前だけは、祐介からだけは聞きたくなかった。
「いつから?」
「あ?」
「だから、彩音の事好きになったの、いつからだよ」
知りたくねぇのに、知りたくて仕方がない。
こんな複雑な感情は、正直味わった事がなかった。
「……去年の今頃、彩音のバイト初日だったと思う。研修中のバッチをつけた甘い声のする少しドジだけど一生懸命働く姿を見て」
「マジかよ」
「……ああ、あの日は兄貴が結婚するって報告兼ねて、嫁と三人でメシ食ってたんだよ。兄貴達に指摘されるくらい、俺どうかしてたらしい……カッコ悪リィけど」
「はっ、今更カッコ悪いとか気にするタチかよ。でもなんで言わねぇんだよ、今まで祐介は女に興味ねーんだと思ってた。テキトーに欲を吐ける女さえいれば縛られたくねぇんかと思ってたよ」
「言えなかった。愛だの恋だのくだらねーとか思ってたから、自分の気持ちに気付くまで時間がかかった。でも、気付いた時には悠斗の女になってて」
「諦めた?」
「……諦めようとした。だって、悠斗マジだったから。忘れるのなんてカンタンだって思ってたよ。随分適当に女抱いたし、こんなに簡単に名前も顔も覚えらんねぇような女抱けるって思ってた。
ほら、恋なんて幻想だっただろ?みたいなさ。
でも、毎週逢いに行きたくなんだよ。同じ席で、同じ時間、同じ注文して、彩音に印象付けたかった。
でも悠斗、俺……奪いたかった訳じゃない。悠斗と彩音が幸せならそれで良かった。見てるだけで良かった。
どうしたんだよ、初めてマジになった女だったんじゃなかったのかよ。
彩音、あんなに弱ってるぞ?俺が……入り込めるくらい」
聞きたくなかった。
祐介の口から、マジで彩音を心配してるところを。
彩音は誰にも渡せねぇ。
でも俺は、祐介だけには勝てねぇ。
だから今は、その脅威に怯えてる自分がいた。
“好きだ。もう、誤魔化せないくらい好き”
聞きたくねぇよ、そんなセリフ。
お前だけは、祐介からだけは聞きたくなかった。
「いつから?」
「あ?」
「だから、彩音の事好きになったの、いつからだよ」
知りたくねぇのに、知りたくて仕方がない。
こんな複雑な感情は、正直味わった事がなかった。
「……去年の今頃、彩音のバイト初日だったと思う。研修中のバッチをつけた甘い声のする少しドジだけど一生懸命働く姿を見て」
「マジかよ」
「……ああ、あの日は兄貴が結婚するって報告兼ねて、嫁と三人でメシ食ってたんだよ。兄貴達に指摘されるくらい、俺どうかしてたらしい……カッコ悪リィけど」
「はっ、今更カッコ悪いとか気にするタチかよ。でもなんで言わねぇんだよ、今まで祐介は女に興味ねーんだと思ってた。テキトーに欲を吐ける女さえいれば縛られたくねぇんかと思ってたよ」
「言えなかった。愛だの恋だのくだらねーとか思ってたから、自分の気持ちに気付くまで時間がかかった。でも、気付いた時には悠斗の女になってて」
「諦めた?」
「……諦めようとした。だって、悠斗マジだったから。忘れるのなんてカンタンだって思ってたよ。随分適当に女抱いたし、こんなに簡単に名前も顔も覚えらんねぇような女抱けるって思ってた。
ほら、恋なんて幻想だっただろ?みたいなさ。
でも、毎週逢いに行きたくなんだよ。同じ席で、同じ時間、同じ注文して、彩音に印象付けたかった。
でも悠斗、俺……奪いたかった訳じゃない。悠斗と彩音が幸せならそれで良かった。見てるだけで良かった。
どうしたんだよ、初めてマジになった女だったんじゃなかったのかよ。
彩音、あんなに弱ってるぞ?俺が……入り込めるくらい」
聞きたくなかった。
祐介の口から、マジで彩音を心配してるところを。
彩音は誰にも渡せねぇ。
でも俺は、祐介だけには勝てねぇ。
だから今は、その脅威に怯えてる自分がいた。