カウントダウン
「は?意味分かんねー。なに?性癖の話してんの?サディスト冥利に尽きるみたいな?」
「んなハナシしてねぇよ」
いつものようなヘラヘラと笑みを見せた祐介は、また真剣な顔に戻ってため息をついた。
眉間に皺を作るこの表情が男の俺でもカッコイイと思えるからスゲェよ。
「……相手しないと彩音をどーにかするとか脅されてる訳じゃなさそうだな」
「んな低俗な女を俺が相手にすると思うかよ。それに彩音のクラスの、アイツのダチがいるかぎり危害を加える女なんていねぇ。お前も知ってるだろ?」
「……ああ」
彩音のクラスの女子達は団結力が凄い。そん中でも名前は知らねぇがツケマのスゲェ巻き毛の女がヤバい女で、彩音とも仲良く話をしている事が多々あった。
校内じゃそれを知ってる奴は多いから彩音をどうこうしようとする女はいねぇ。
その事について祐介に咎められる事はない筈だ。
「安心しろ。彩音に危害なんて起きねぇから」
「その事は心配してねーよ。ただ、悠斗がなんでフラフラしてんのか分かんねー。何考えてんの?」
「フラフラなんてしてないって」
「どの口がほざいてんだよ。彩音はマジな女なんだろ?ならなんで他の女が必要なんだよ。一人で十分なんじゃねぇの?」
「……他の女がいるから彩音の良さが際立つんだ。彩音は最高の女だよ。アイツ以上の女なんていねぇよ」
「…………意味分かんねェ」