カウントダウン
いつも強気で意地悪な祐介が、凄く弱々しく見えた。
恋をすることは素敵な事だって思ってたのに、今は私の存在が祐介を苦しめてる。
ズキンと痛む胸の苦しみ。今私が感じているよりも祐介は苦しいのかな?
「どーすればいいかなんて、私だって分かんないよ。
でも、私だって……祐介と関わって、自分でも驚くくらい……その……私、祐介が好……」
好き。
そう、言おうとした私を制するように祐介の手が私の口を塞いだ。
「その先は駄目だ」
「っ……なんで?」
「別れてねぇだろ?悠斗と」
「でもっ」
「期待するだろ、俺が。だからやめて」
「でも私の気持ちはもう悠斗から離れ……」
「分かってるよ。今日、会いたいってメールくれた時点でアンタの気持ちなんてお見通しだよ。
でも、今は駄目だ。悠斗に失礼だろ?」
「……ごめん」
祐介は、私が思ってる以上に周りを見ている。
いつだって自分の気持ちを優先にしちゃう、そんな自分自身が恥ずかしくて情けなく思えた。
私は一体、何をしてたんだろう。この前の祐介と女の子がヤるヤらないの話をしているところを見たくらいで怖じ気付いて、ちゃんと悠斗と話し合わなかったせいで30万円っていう問題も発生しちゃって。
全ては私のせい。
こんな私が誰かに愛されたいなんて、嘲笑しか出ないよ。
「彩音?まぁーた、ネガティブ思考でしょ?今のアンタの隣にいるとこっちまでキノコ生えてきそうなんですけどー」
「……そんなにジメジメしてませんっ!てゆーか、なんか本当にごめんね」
「悠斗と別れるって言ったのに別れてない事謝ってんの?」
「うん、それもあるけど……」
「ショックだった?俺が他の女に突っ込んで出すって言ったの」
「……」
「あの後ヤったのか不安だった?ショックで悠斗に別れを切り出せなかったって……自惚れてもいい?」