カウントダウン
「……うん、ごめん。祐介が今女の子と何をしたって私が何かを思う権利なんてないのに。ショックなんて受ける資格だってないのに」
「んな、俺のことどーでもいいみたいな事言うなって。
……なぁ、知りたい?あの後本当はどーなったか」
祐介は、おこがましくショックだった事を隠さない私に優しく聞き返してくれている。
「あーでも、言い訳みたいでかっこ悪りィから想像におまかせーとかでいっか?」
「やだ知りたい!」
間髪入れずに食い付くような私を見つめる祐介の瞳は、妖しくにやりと笑っていた。
「そっか、彩音チャンはそんなに俺のことが気になるんだー」
「っ、からかわないでよっばか!!」
嬉しそうに笑う祐介を見て、私も嬉しくて楽しくて、今だけは色んな悩み事を忘れられる気がした。
忘れてはいけない事だけど。
「俺の噂って、知ってるんだよね?告白したらどんな女も二度と好きになんねぇって思うような男だって」
「……うん、聞いた。どうしてなのかは知らないけど」
「いや、分かるデショー、この前の告白、最初から見てたんだろ?途中で逃げちゃったけど」
「だって、あまりにも衝撃的というかなんというか……」
俯く私は、また思い出す……あの出来事を。
“ヤってもいいけど、突っ込むだけだよ?好きでもねぇ女に好んで前戯なんてしねぇよ。突っ込んで出して終わり、それでもいいなら一回くらいは処理相手にしてやるよ”
そんな事を日常茶飯事のような態度で言った祐介を思い出せば、やっぱり胸がギュッと締め付けられたような気がした。