カウントダウン
「勘違いすんな。男が一人でそんな店はいれねぇだろ?だからだよ」
返事もしないでぼーっとしてたら少しだけ赤い顔をしながら弁解をしていた。
なるほど、女子だらけのお店に男子高校生が一人で入るのは気が引けるって感じ?あ、でも……
「悠斗と行ったら?悠斗も甘いもの好きだよ?」
友達だろうし、何も友達の彼女に気を遣いながら食べに行くのもどうかと思って提案したのに。
「……なんで野郎と二人でそーゆー店に行かなきゃなんねぇんだよ」
めっちゃ不機嫌だ。
まぁ確かに男の子二人はキツいよね。ただでさえ悠斗狙いとかワケ分かんない噂もたってるし。
怪訝な顔してるから噂はあくまで噂なんだろう。少し安心した。
「分かったよ、私でよければお付き合いしますー」
「なぁ……」
「なに?」
「悠斗が甘いもの好きってマジで言ってんの?」
「うん。マズイって言われる私の料理でもお菓子だけは美味しそうに食べてくれるの。美味しいとは言わないけど、無意識なのか私の好きな笑顔になってくれるし、時々おみやげにコンビニスィーツを買ってきてくれる………って、ちょっ……」
質問に答えてる間、あろうことか祐介はまるで魂が抜け出してしまったんじゃないかというような豪快なゲップを披露してくれやがった。