カウントダウン
「ふーん、彩音もやっぱ知ってたんだな……噂話」
「いや、あの、たまたま耳にしただけで、別に気にしてないよ」
「気にしろよ。……で、噂の真相、知りたい?」
「え?」
真相……知りたいのかな、私。いい加減な気持ちでは踏み込んじゃいけない気がする。
でも、気にしろって言うって事は誰かに知って欲しいのかもしれない。
私は、祐介がいてくれたお陰で不安定な気持ちを軽減できたのも確か。
祐介に救われた部分が大きい。だから、祐介を支えてあげたい。悠斗のお友だちとしてじゃなくて、私の友達として。
「ぷっ。なに真剣に考えてんの?とりあえず、着いたんだけど」
気が付けば行きたいって言っていたお店の前まで来てたらしくて、女の子たちがたくさん並んでいた。
「かわいー」
お店の外装はファンシーかつキュートで、確かに男子だけでは入り辛いと思う。この場所に悠斗と一緒に行けばって勧めた私は鬼だったんだと改めて思った。
「何立ち止まってんの?入るよ」
「うん。ねぇ、ここって塚原洋平さんのお店だよね?」
「知ってんの?」
「うん、キャンディ先生の最初のお弟子さん。お会いした事はないけど」
「へぇ、キャンディ知ってんの」
「キャンディって!馴れ馴れしいよ」
塚原洋平さんは、キャンディ先生がよく話してくれるお弟子さんの事で、今注目のショコラティエ。海外で賞を総なめにして、日本にも各地にチョコレート専門店を出店させてる。
「俺、キャンディの店でバイトしてんだよ。今日も夕方から。ソレイユって店知ってる?」
「嘘、マジで!?そこ私の未来の就職先なんだけど」
驚きの数々。だけど、順番もきて席に座ってからお店の人気No.1と2を頼んでお持ち帰り用に色んな種類のチョコレートを用意して貰った。
店内は甘い香り。
祐介と座るテーブルはメルヘンチックでなんだか祐介が可哀想にも思えるけど、運ばれてきたチョコレート主体のケーキを見た祐介の顔が緩んでたから、来て良かったって、私も思った。