カウントダウン
「何してんの、ってフツーにギャルソンだけど」
「似合いすぎてムカツクんだけど」
「なんだよそれ」
一度だけ料理教室のお仲間とソレイユのランチに行った事がある。その時見たギャルソンの制服がマジでかっこよくて、因みにギャルソン自体かっこよくて、あ!そう言えば……。
「ねぇねぇ、キャンディ先生のお店で働く男の子ってみんなキャンディ先生の趣味だって聞いたんだけど……本人から」
お手つきの方もいるとかいないとか。これは先生本人からは聞いてないけど。先生は本気か冗談かたまに分からない事も言うし……。
「俺のホモ疑惑も元を辿ればキャンディ絡みだって知ってた?」
「え!?祐介はキャンディ先生とそうゆう関係に」
「なってねぇよ。噂はあくまで噂だ。ソレイユで採用されなかったヤツが蒔いたらしいよ。俺意外にもそう言われてる仲間もいる。俺は男好きじゃねぇし。だいたい女作らないからってホモって短絡過ぎだと思わねぇか?」
「じゃあ悠斗の事は……?」
おそるおそる様子を伺えば盛大なため息。
「彩音のお陰で最近ため息ばっかりなんだけど、幸せ逃げたら責任取れるんかよ……」
「だって……」
「確かに悠斗とはわりと一緒にいるけど、そんなんじゃねぇよ。てか、彩音は俺が悠斗の事好きって思って遠慮とかしてたワケ?」
「……してはいないけど。私と悠斗が付き合ってんの、よく思ってないんじゃないかなって思ったのは確か」
「あんた馬鹿?っとに全然分かってねーのな」
「は?なにが?意味分かんないんだけど」
「俺は、ずっと好きな女が居るんだよ。ソイツが俺を選ばない限り女は出来ねぇ。それだけ」
初めて知った、祐介の本質。
祐介は、噂通りの男だった。唯一噂と違ったのはホモじゃなくて、悠斗とは友達以上なんかじゃなくて、好きになるのは女の子。
そして、もう好きな女の子はいるって事。その口振りだと長い期間一途に片想い中で、なかなか振り向いてもらえないみたいだ。それでも諦めない強い意思を含む表情。
私はほんの少しだけ、心がツキンと疼いた。