カウントダウン
“ずっと一緒にいるんだろ?”
その声は、悠斗に恋をした時と同じように優しいもの。
「……そんな事……」
「彩音、俺たちさ、似てるよな。親に振り回されてばっかで。だからお前の事支えていけんのって俺くらいなモンだ。そこ、分かってる?」
「でも私は悠斗を!」
「別れ話なんて聞きたくねぇよ。」
「悠……斗……?」
泣き崩れる私を支える腕がさっきより強く回った。
いつから気づいてた?
「彩音だけだよ、こんなしーもない俺を許してくれるのは……」
「許してるつもりなんかないよ」
「分かってる。でも俺は別れない」
「意味、分かんない。お金なら、ちゃんと返すから」
「金の問題じゃねぇよ!俺は、彩音が好きだ。それだけ」