カウントダウン
「だったらなんで他の女の所に行くのよ!私を罵ったりするの?無理矢理抱こうとするの?朝になっていなくなるの?
なんで、悠斗の取り巻きの女の子たちに嫌味言われなきゃなんないの!!いっつも言ってるじゃない!!」
感情的になっちゃ駄目。
そう考えてた。なのに泣きながら訴える私は何なんだろう。
もう好きじゃない。
早く別れたい。
その言葉が言えなかった。祐介の今日の態度と、母の態度、そしてお金が絡んだ事。
それが私を縛り付ける。
でも、本当は……
弱い私がずるく駄々をこねている。
一年ぶりに見た母は私を見てくれなかった。その現実が私の存在を否定されたみたくて、辛くて寂しくて。
目の前で、嘘か本当が分からない、そんなチープな優しさにほだされて、すがりたい。
優柔不断な嫌な女。自分が嫌いになる。
こんなんだから、祐介は私を好きと言いながら他の女を抱くんだ。
「久しぶりに聞いた、彩音のヤキモチ。お前はそうやって俺を求めてすがればいい。泣きながら俺を求めるお前は、最高にかわいいよ……」
「や、だよ」
ほら、涙が止まらないからこうやって悠斗が私に吹き込むんだ。
抜け出したい。
抜けられない。
助けてよ……。
でもきっと、自分の力じゃなきゃ解決できない。