ごめん、好き。
―Ryo―
好きだと言われたのは、初めてなんかじゃなかった。
だけど、アイツに言われたとき
他のやつとは何かが違った。
胸が痛い。
何かに押しつぶされそうなほどに。
俺の心にいるのは、誰なんだ?
「りょう……、」
「ん、なに?」
沙織がなにも言わずに帰った後、俺はユカを部屋へと運んだ。
さっきまで泣いていたから、真っ赤な目を俺に向けてくるユカ。
そっと頭を撫でると、急に口を開いた。
「沙織が好き?」
ドクン……
また、瞳いっぱいに涙をため込んでいるユカ。
ギュッとユカを抱きしめた。
「…沙織は、友達として好きだよ
それ以上でも以下でもない」
なんて優等生みたいな言葉。
だけどユカは、そっか…、とまた黙り込み始めた。
どんなに100点の答えを言っても、今のユカは納得しない。
それは、俺自身の言葉じゃないから。