約束のノート
約束の時間。


「母さん、出かけてくる」


「もう夕方よ。どこに行くの」


「美雪ン家。メシはいらねぇ」


「そう・・・」


母さんが呟く。


「光一」


唐突に俺を呼び止める。


「何?」


「楽しんできなさい」


その眼は真剣だった。


「・・・分かった」


強く、頷いた。


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