約束のノート
美雪の家。


入っていきなりだった。


「パーティーにようこそ~!」


パァーン!!


クラッカーの騒がしい音と、美雪のマヌケな声で出迎えられる。


「・・・・・・何のマネだ」


「光一クン、そんな無愛想な顔しないでよぉ~」


「・・・とうとう頭がおかしくなったか?」


心配になって尋ねる。


ボカッ。


「いてっ!!」


「あんたねぇ、人がせっかく楽しくパーティーやろうとしてんのに、シラけるようなこと言わないでよねっ!!」


あんな異常なテンションで迎えられても困るんだが。


「あんたのためなんだからねっ・・・!!」


不機嫌そうに言う。


「悪かったよ・・・」


素直に謝る。


「美雪」


「どうしたの?」


「ありがとうな」


自然と、その言葉を口にした。


「別に。あたしはやりたいことをやってるだけよ」


その言葉が、本当に嬉しい。


・・・ありがとう。


「上がって。遥と翔平も来てるわよ」


「ああ。お邪魔します」


< 111 / 131 >

この作品をシェア

pagetop