【短篇】こ い い ろ 。
真冬と女子高生のスカートは仲が悪い。短すぎる。寒い。
大抵、ジャージかスウェットが仲介する。私も下にジャージを穿いている。
じゃあ長くすればいいんじゃないかと思うだろうが、私の場合そういうわけにはいかない。長くしたいのだが、もう長くできない。私が通っている高校と同じ所に通っていたお姉ちゃんのお古だからだ。すごく短くされていた。新しいスカートを買ってくれと親に頼んだのだが、即答で「嫌」と言われた。
こんな姿でぱっつん前髪でぼさぼさ髪の私がモテモテの竹本君に押し倒されましたー事故だけどーって言ったら、一体何人の女子に呼び出しをくらうのだろう。きっとわたしは全身傷だらけで帰ってくるのだろう。女ってのは怖いものだ。というかこれは本当に事故だから、事故だからいいんだ。何も言わない。ああ、なんだか肉まんが食べたくなってきた。コンビニに寄ろう。
私はコンビニに入り、「肉まん一つ」と口を割って、その1分後には肉まんを手に持って「ありがとうございましたー」と言われながらコンビニを出ていた。かさかさと袋をあけて、ほかほかの肉まんをいつもより小さい口でかじる。湯気が目にしみた。瞑って前を見ると竹本君がいた。