カモミール・ロマンス

「美咲」

真央のいつになく力強い呼び掛けに美咲ははっと目を向けた。

「私は美咲の力になりたい。その為にどんな苦しいことがあったって私は耐えられる。

この指に誓って?本当に苦しくなったら私を頼ってくれるって」

美咲は開こうとした口をむすぶ。

そしてそれを飲み込んで、「約束するよ」と小指を強く握った。

「さ、ご飯食べよう?もう休み時間あと5分しかないよ。

残したらお母さんに怒られちゃうよ美咲?」

真央はウサギの並んだ子供用の箸を手に取る。

「何よ。私は食べきれるけど真央こそ食べられるの?お残り給食の常習者だったくせに」

「そ、それは小学生までの話でしょ!

もー、美咲なんて知らないんだから」


笑いながら残っていた弁当を口に運ぶ2人。


美咲は1分そこらで完食し、真央はチャイムが鳴る間際にやっとのことで弁当を食べ終えたのだった。






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