秘密の恋の詩

''キーンコーンカーンコーン''

チャイムがなると同時に、先生が入ってくる・・・
・・ん??

なんか様子がおかしいな?
先生のくせにそわそわしてる!

「はいはい静かにー。えーと、今年一年担任を務める・・・」
挨拶が始まって、教室内が静かになる。
一通り終わって、出席を取ろうとすると、

''ガラガラガラッ!!''

「すいません!!転校早々遅刻しちゃって!つい前の学校に行っちゃいました!」
えへっ、と先生とクラスメイトに向かって微笑む。

なに、あの人・・・
王子様みたい!!!

あたしはあんまりタイプじゃないんだけど
明らかに教室の空気が変わりました・・・よね?

先生までもが態度変わってるし!

「あ、あら、そうなの。じゃあ空いてる席に座ってちょうだい。
 今から出席取るから。」

そう言った途端、女子たちが空いてる席を探し始める。
あーあ、みんな必死だなぁ・・・

そう思って、あたしには関係ない事だと思った瞬間あたしは気づいた。
空いてる席って、あたしの隣しかないじゃん!!

ここに座んなきゃ良かった・・・
絶対まわりになんか言われるよこれ!

「あ!結衣の隣しか空いてないじゃん!」
「なんで結衣の隣なのぉー?」

ほら始まった。まぁ、分かってた事だし別にいいんだけど
女子がぶりっこし始めるって言うのが気に入らない!

そんなことを考えていると、だんだんあの王子様が近づいてきた。
それにつれて周りも落ち着いてきて、HRが再開される。

「よろしくね」
また、王子様はえへっ、と微笑む。

「よろしく」
あたしは周りの視線が痛かったし、てきとーに愛想笑いで済ませた。

安全に生活できるといいけど・・
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