借金取りに捕らわれて
「迎え来たぞ。」



秋庭さんに促されて車に乗り込むと直ぐに車は走り出した。



「マサ、事務所に行く前にジュリエットに寄ってくれ。」



「承知しました。」



一瞬、マサと呼ばれた運転席に座るスーツ姿の男性とバックミラー越しに視線が重なった。



視線が合ったのはほんの一瞬だし、彼の視線が上下に動いたわけではないんだけれど…
品定めをされているようで気まずくて何か言おうとした時、秋庭さんが先に口を開いた。



「ヒロ、こいつはマサ。」



と、運転席の男性に親指を向ける。



「マサ、俺の女のヒロだ。」



「違います!!」




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